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#44「自動車学校の路上教習とは?失敗しないポイントを徹底解説」

自動車学校で行われる技能教習のうち、教習車で公道を走る「路上教習」は多くの教習生にとってプレッシャーとなります。しかし、路上教習を始める前に、公道を運転する心構えを知っておけば失敗する可能性は少なくなり、より安全な運転に近づくことが期待できます。

本記事では路上教習の基本と、初めて公道に出た際に意識してほしいポイントを解説します。

 

路上教習とは?

路上教習とは、教習所のコースから出て、一般道や高速道路を教習車で走行する技能教習のことです。車の仕組みや運転に関する基礎知識を身につける「第一段階」の技能教習を終え、技能検定と学科試験の両方に合格し仮免許証が交付されることで受講できるようになります。

路上教習は最低でも19時限行われ、免許取得後にひとりで安全運転できるよう、所内コースにはない複雑な形状の交差点の通行や、歩行者等の保護を意識した運転、一般道よりも交通量が多く速度の速い高速道路での運転など、より難易度の高い実践的な練習を行っていきます。公道での運転に不安を覚える方は大勢いますが、常に指導員が助手席に同乗し、適切なアドバイスをしてくれるため心配はいりません。

路上教習前に知っておくべき3つのポイント

路上教習の開始前に知っておくと公道を走るプレッシャーが軽減しやすくなる、3つのポイントをお伝えします。

 

運転中は遠くを見る

一般道は教習所内のコースよりも速い速度で走行することになります。そのため、「遠くを見るイメージ」で運転すると、先の状況の把握が早くなり、その結果落ち着いて運転することができます。「遠く」というのは、おおよそ「2〜3台分先の車や、それらの車が走る道路」のことで、一点を注視するのではなく、視野を広げて俯瞰で眺めるイメージです。そのためにも、車間距離を適切にとることを心がけましょう。車は急に止まれないため、遠くを見ることで先行車の状況や障害物を確認し、いつでもブレーキを踏む余裕を持ちながら運転して事故を防ぎましょう。ちなみに、車間距離の目安は一般道路で時速30~60kmで走行している場合は、走行時の速度から15を引いた距離をメートルに置き換えます。(高速道路は走行時の速度をメートルに置き換えます)

標識・標示をチェック

標識や標示は歩行者や車が、安全に円滑に道路を利用できるように、交通ルールを知らせたり、道案内をする役割があります。特に、道路状況に沿った運転方法を知らせてくれる「警戒標識」や、特定の運転方法の規制・制限を伝える「規制標識」などを守ることは自身の命を守るためにも重要です。標識の意味を理解しながら運転するためにも、学科教習の第一段階の時点でしっかり覚えておくようにしましょう。

高速道路への入り方

路上教習の中盤から後半にかけて「高速教習」を実施します。一般道路より更に速い速度で走行する高速道路は、多くの方が不安に感じますが、高速道路への合流のポイントを理解できていれば、安全に教習を行うことができます。

まず、教習車にETCが搭載されている場合は、ETC専用レーンを通過して高速道路に入りましょう。加速車線に入った時点で本線車道を走行する車両と同じくらいの速度まで加速し、それと同時に合流の意思を示すためにウインカーを出します。本線車両とのスピード差が大きいほど合流が難しくなるので、できるだけアクセルは踏むようにしてください。

合流が近づいたら、ルームミラーとサイドミラーを使って後続の車両を、目視ですぐ後ろにいる車両を確認し、空いた合流スペースに向かってハンドルを「押す」ような気持ちでゆっくりほんのわずかに操作します。速度が速い状態でハンドル操作を行うと、強い遠心力が発生するため、切りすぎないよう注意しましょう。後続車と並走状態になった場合は、同じくらいの速度を維持しながら後ろにつくように合流すると、急ブレーキによる追突事故リスクの軽減が可能です。

高速教習を行う際には、「本線を走る車両の流れを止めない運転」を心がけ、事故やトラブルの可能性を減らしましょう。

路上教習で失敗しない4つの方法

路上教習の失敗を防ぐには、安全運転を実現するための4つのポイントを意識しておく必要があります。

速度調節

教習所のコースから出て公道を走り始めると、恐怖心や焦りによってスピードメーターを見る余裕がなくなるケースは少なくありません。しかし、路上教習中の速度超過は交通違反につながるだけじゃなく、交通事故を引き起こす可能性まで高める危険な行為です。路上教習中は他の車両の流れに乗せられてスピードを出してしまいそうになりますが、適度にスピードメーターを確認して速度維持に努めましょう。

安全確認

路上教習中の安全確認では、バックミラーと直接目視による確認を徹底することが、事故を防ぐ上で大切です。

また、実際に発声したうえで安全確認することは、技能教習の第一段階で学んだ交通ルールや車の乗り方に関する学びを実践的な知識として昇華させることにもつながります。

発進時や右左折時、駐車車両を避ける時など、他の車両や歩行者と接触しやすい場面では安全確認を徹底し、トラブルなく路上教習を終えられるようにしましょう。

幅寄せを徹底

駐・停車をする際や交差点で行う幅寄せに対し、「道路や標識にぶつかりそうで怖い」と恐怖心を感じる方は多いのではないでしょうか。しかし、特に右左折時の幅寄せは、バイク・自転車側と車側の双方の安全を確保するために欠かせない運転技術です。左折するタイミングでのバイク・自転車などのすり抜けを防止したり、自分の右折時に直進する後続車を通り抜けられるようにするためにも、ゆっくりでいいので徐々に寄せるようにしましょう。もちろん、縁石ブロックに乗り上げたり、標識にぶつかったりしそうな危険な場面では指導員がしっかり補助してくれるので、路上教習中は安全です。勇気を出して行い、車両感覚を身に付けていきましょう。

歩行者の確認

教習所のコースと公道で大きく異なるのが、「歩行者がいること」です。公道に出れば、他の車はもちろんのこと、歩行者や自転車といった「交通弱者」に配慮した運転が求められます。検定において、交通弱者の通行を妨害した場合は「歩行者保護不停止等」、交通弱者との間隔を空けず通過した場合は「安全間隔不保持」で検定が中止されることもあります。

路上教習の際には、いつでも余裕を持ってブレーキを踏める運転を心がけ、歩行者との衝突や事故の誘発を防げるようにしましょう。

まとめ

自動車学校で行う路上教習は、他の車や歩行者に配慮した実践的な運転スキルを身につけるために欠かせない行程です。

教習所内のコースとは走るスピードも注意しなければならない点も大きく異なりますが、第一段階の技能教習で学んだ知識を冷静に活用すれば、安全な運転ができます。指導員と一緒に教習経験を重ねていき、今回ご紹介したポイントが運転時の参考になれば幸いです。