自動車学校に入校する際、教習が開始される前に必ず受けることになるのが「運転適性検査(適性検査)」というものです。検査という響きからなんだか難しそうに思えてしまうかもしれませんが、実はこれ、テストではありません。今回は、適性検査の内容とともに受検前の不安を解消できるような内容をご紹介していきます。
目次
自動車学校での適性検査はなぜ行うの?
自動車学校では、入校してから卒業するまでにさまざまな検査や試験を受ける必要があります。そして入校時に実施される適性検査もそのひとつです。ここでは、適性検査を実施する目的や結果に関する内容を順にご紹介します。
運転をするにあたって気を付けるべきことを客観的に測るため
適性検査を実施するのは、自動車を運転する際に注意しておかなければならないポイントを事前に知っておくという目的があるためです。後ほど検査の内容については詳しくご説明しますが、どの検査項目も運転時の適性を測るものです。つまり、検査を通して自分自身の性質を知り、今後運転をしていく上で気を付けておいた方が良いことを事前に知っておくという意味合いで実施されるものとなります。
適性検査で落ちることはある?
結論から言えば適性検査で落ちることはないので、安心してください。そもそも適性検査は「検査」であって、テストではないため、合否を判定する用途では使われることはありません。たしかに検査の内容や実施時の雰囲気から、「試験を行っているのでは…?」と思ってしまう方も少なくないかもしれませんが、ここでどんな結果が出たとしても教習を進めることは可能です。
ただ、適性検査で適性が低めの項目がある場合には、自分自身で気にかけておいて、その特性を踏まえた上で運転をすることを強くおすすめします。
適性検査の内容はどんなもの?検査方式別にご紹介
適性検査の実施方法は、全国の自動車学校で2種類の方式のいずれかを採用しています。どちらの方式であっても運転の適性を測ることができるという意味では同じですが、検査の内容や結果の出方に異なる部分があります。
適性検査の実施方式には2つのパターンがある
自動車学校で実施される適性検査には「警察庁方式K型」と「OD式安全テスト」の2種類があります。検査実施時にどちらの方式で検査を受けるかを決めることはできず、各自動車学校が採用している方法に従うことになります。それぞれの方式の特徴や検査内容をここからご紹介します。
①「警察庁方式K型」の場合
11の検査項目で運転の適性を測り、6つのタイプに分類する方式です。タイプ分類は下記のようになっています。
1.状況判断が遅い人
2.動作は早いけど正確さに欠けている人
3.神経質な傾向がある人
4.気分の変わりやすさやムラがある人
5.攻撃的な傾向がある人
6.自己中心的な傾向がある人
動作のスピードや正確さを測ることでこうした分類を行い、運転時に気をつけなければならないことが分かるようになります。例えば動作が早くてミスが多いとせっかちなタイプ、動作がゆっくりでミスが少ない人は石橋を叩いて渡るタイプ、といった分類方法をとっています。
②「OD式安全テスト」の場合
16の項目から運転適性を測定し、運転適性度と安全運転度という形で結果が出されます。これらの内容を踏まえて、検査を受けた人を下記の4タイプに分類します。
1.安全運転をするタイプ
2.もらい事故の傾向があるタイプ
3.重大事故の傾向があるタイプ
4.事故違反を多発させるタイプ
「重大事故の傾向があるタイプ」や「事故違反を多発させるタイプ」という検査結果が出てショックを受けてしまう方もいるかもしれませんが、検査結果をよく読んで安全運転に努めれば何ら問題はありません。繰り返すようですが、大切なのは結果そのものよりも、自分自身の特性を知り、安全運転のために何ができるか考えることです。
運転適性検査の結果が悪いとどうなる?
続いて、適性検査の結果が思わしくなかった時、どうなってしまうのか解説します。不合格になることはないとはいえ、思っていたような結果にならないと不安を抱えてしまうものですよね。ここでは、検査結果をどのように受け止めるべきなのかご説明していきます。
検査なので結果に優劣はない
適性検査はあくまで検査であって、テストではありません。そのため、結果に優劣はありません。「安全運転をするタイプ」だからといって、事故を起こさないとは限りません。むしろ慢心が事故を招くこともあるため、運転適性が比較的高いとされた人こそ気を引き締めなければならないともいえるでしょう。
自身の特性を理解して乗車を
適性検査の結果は、後日受検者本人に返却されます。警察庁方式K型の場合も、OD式安全テストの場合も、検査結果に応じて運転をする上で気を付けるべきポイントが記載されています。自分自身で認知していない部分で注意しなければならないことがあるかもしれないので、結果を読んだ上で教習や免許取得後の運転に活かしましょう。こうした検査を受ける機会はあまりないため、結果は教習後も保管しておくことをおすすめします。
安全に自動車を運転するためには、自動車学校で学ぶ様々な要素を習得する必要があります。交通ルールやマナーといった交通に関する知識や、停車やバックなどの運転操作テクニックもそうです。適性検査の結果から判明した自分の特性をもとに、不足しているスキルや知識を自覚していれば、入校後の教習でも意識しながら学ぶことができるでしょう。
適性検査の結果をもとに、自身の特性や運転能力を把握し、より安全な運転をしていくためにも以下の点に留意して運転に活かしましょう。
・不足しているスキルの習得
・自信をつける
適性検査の結果がよかった場合、自分の運転スキルや適性に自信を持つことができます。結果として、落ち着きながら技能教習を受けることができれば、安全な運転につながるでしょう。運転の際に慎重になることはよいことですが、過度な緊張状態はパニックや誤った状況判断に陥りやすくなります。自信を持って運転に臨むことによって、正確で安全な運転をしやすくなるのです。
・短所を改善する
適性検査によって自分の短所が発見できれば、入校後の教習を通じて改善することで、より安全な運転が可能になります。「攻撃性や自己顕示性が高い」と評価されれば、日々の教習から落ち着いた気持ちで技能教習を受講することで、自身の短所を埋めることができるでしょう。適性検査は、自動車の運転技術を学ぶにあたってまずは自分を理解するために行われます。結果が悪かったとしても悲観するのではなく、適性検査の結果で分かった自身の性格をしっかりと理解し、改善に努めることが大切です。自身の短所を改善することがスピード超過をはじめとした危険運転の回避につながるのです。
・安全運転を心がける
適性検査では、いかに安全な運転ができるのか、という指標のもとで必要とされるスキルや知識を評価されます。検査結果を真摯に受け止め、自覚した上で教習を受講することが、安全運転への近道になります。
適性検査を受ける時の注意点
適性検査を受ける時はよい結果を出そうとするのではなく、素のままの自分で回答することが重要です。考え過ぎたり、対策しようとしたりすると、自分の特性がわからなくなります。教習で活かせる適性検査にするために、注意すべきポイントをご紹介します。
検査の説明をしっかり聞く
適性検査を受ける前に、まずは検査の説明についてしっかり聞きましょう。検査自体はそれほど難しいものではありません。ただし、回答の順番や訂正方法にはルールがあります。よく間違われやすいような箇所の説明は、担当の検査員が入念に事前説明を行ってくれますので聞き漏らしのないように注意深く聞きましょう。説明を通してわからないところや疑問に思うような箇所があれば、きちんと質問することも大切です。試験中に迷うことがないよう、試験前にしっかり確認しておきましょう。
落ち着いて回答する
適性検査では、「警察庁方式」「OD式安全テスト」のどちらであっても制限時間が設けられています。自分が最後まで質問に回答できるのかどうか不安になり、焦る方もいらっしゃるかもしれません。しかし、自分のペースで問題ありませんので、落ち着いて慌てずに回答しましょう。ただ、適性検査の時間制限には評価項目の一つとして、作業をどのくらいの時間で終えることができるのか、という意味合いもあります。自身の作業能力をテストできる場であることを理解して、丁寧に回答することが重要です。
正直に回答する
適性検査は、日常の思考回路や自身の性格を客観的にみるための検査です。正しい結果を得るためには、自分のありのままの考え方で回答することが重要になります。変に自分をよく見せようとすると、検査の結果にも直接影響してしまうため、注意が必要です。周囲からの評価を気にするのではなく、正直に自分が感じたこと考えたことを回答するように心がけましょう。
肩の力を抜いて「いつも通り」受ければ大丈夫
適性検査を受ける上で最も大切なのは、自分自身の特性を理解して教習時や免許取得時に活かすことです。そのため、よく見られようと選択肢を調整してはいけません。性格テストだと思って素直に受けるようにしましょう!
東山自動車学校では、カーライフを送りたい方の入校をいつでもお待ちしております。適性検査や入校に関して不安な点などありましたら、ぜひいつでもお問い合わせくださいませ!