自動車学校に通って免許を取得する際、気になることの一つに「免許取得までの期間」があるでしょう。今回は、できるだけご自身の思い通りのスケジュールで教習を進めるためにどのようなことに気を付けるべきか、具体的なポイントをご紹介しつつ解説します。スケジュールの組み方に悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。
目次
自動車学校で必要な授業数
まずは、自動車学校で必要となる授業数について見ていきます。普通自動車免許の取得を目指す場合、免許には「AT(オートマチック)」と「MT(マニュアル)」の2種類があります。それぞれ卒業までに必要な授業数は異なるため、これから自動車学校への入校を考えてる、もしくは入校して間もない方は事前にチェックしておきましょう。
ATの場合
AT車は、ギアチェンジに伴うクラッチ操作を車が自動的に行うため、操作がMT車と比較して簡単とされています。そのため、免許取得に必要な授業数もMT車よりも少ないです。
AT車に必要な最短授業数は以下のとおりです。
・教習第一段階:学科教習 10時限+技能教習12時限
・教習第二段階:学科教習 16時限+技能教習19時限
合計必要授業数:57時限
自動車学校における「学科教習」とは、主に車の運転時に必要な交通ルールやマナーといった運転知識を、教本の内容を元に学ぶ授業のことです。座学中心で行われ、授業数は第一段階・第二段階と合わせて26時間とAT車・MT車ともに変わりません。
また、「技能教習」では、実際に車を運転する技術を学びます。第一段階では所内のコースを、第二段階からは実際の道路で実践的な走行をしながら、運転操作技術の習得を目指します。
全ての教習を合わせると、AT車の免許取得までには最短でも57時限もの授業を受ける必要があります。自動車学校における1時限は50分。事前に計画性をもってスケジュールを立てておきましょう。
MTの場合
MT車は、ギアチェンジを運転者がクラッチで操作する必要があるため、運転の難易度が高くなります。そのため、ギアチェンジやクラッチ操作習得のため、AT車よりも必要な授業数は多いです。MT車免許の取得を検討している方は事前に確認しておきましょう。
MT車に必要な最短授業数は以下のとおりです。
・教習第一段階:学科教習 10時限+技能教習15時限
・教習第二段階:学科教習 16時限+技能教習19時限
合計必要授業数:60時限
MT車では、第一段階における技能教習がAT車よりも3時限分多く設定されています。
また、ここまでにご紹介したAT車・MT車の必要授業数は、あくまで最低限のボーダーラインにすぎません。授業や試験で思うような結果や、求められている水準に届かなかった場合は、追加試験や授業の追加がなされる場合もありますので注意が必要です。
教習は2段階ある
自動車学校の教習は、第一段階と第二段階の2段階に分かれています。入校後すぐに始まる第一段階では、基本的な交通ルールや運転操作の習得を、最終フェーズとなる第二段階では、より高度な運転技術の習得へ向けて、高速道路や駐車、バックなどの実践的な運転技術を学びます。
第一段階の終わりには「仮免許試験」があり、合格できなければ仮免許証が発行されず、第二段階に進むことはできません。仮免許試験では、学科・技能の両方があります。試験内容はいずれも第一段階の授業の復習になりますので、毎授業の予習復習を忘れずに行いましょう。
セット教習と応急救護にも注意
授業スケジュールを自分で組む際に気をつけておきたいのが、「セット教習」と「応急救護」です。
セット教習とは、別名「危険予測教習」とも呼ばれています。第二段階で実施される教習で、複数の教習生と指導員がセットになり、技能教習と学科教習を2時限連続で行うのが特徴です。
応急救護では、交通事故が発生した際に行う一次救命処置を学びます。自分が運転しているしていないに関わらず、事故に遭遇した場合を想定して止血や心臓マッサージといった人命救助の練習が主な教習内容です。こちらも第二段階時に受講し、3時限連続で学びます。
セット教習、応急救護のどちらも1時限ではなく、長時間にわたって教習が行われます。あらかじめおおよその受講時期を把握しておき、予定を空けておくと安心です。
スケジュールがうまくいかない…「トホホ」な自動車学校あるある
まずは教習スケジュールを組む際にありがちな失敗を、「あるある」としてご紹介します。最初はうまくいくと思われた教習も、予期せぬアクシデントでうまく進まなくなってしまうことがあります。多くの人がぶつかりがちな問題を知った上で、ご自身のスケジューリングに役立てていただければと思います。
①「技能教習の予約が取れない」
通学の場合でも、最短1ヶ月程度で免許が取得できると言われています。ただ、それは毎日自動車学校に通い続け、全てのカリキュラムをずれなくこなした場合です。実際には技能教習の予約を思い通りに取ることができず、予定よりも教習期間が延びてしまうことが多いといえます。
特に学生の教習生が増える1月から3月の間と、8月、9月については予約を取るのが難しくなります。教習に対応できる指導員の数や、教習車の台数には限りがあるため、この混雑期に教習を受けるのであれば混雑を覚悟しておかなければなりません。
②「検定日の予定がなかなか合わない…」
多くの自動車学校では、仮免許試験や卒業検定の実施日があらかじめ決まっており、自分のペースで自由に受けることはできません。そのため、「検定日をこの日にしよう!」と決めていたとしても、そもそもその日が検定日に設定されていない可能性がある上、検定の予約が取れないこともあります。あらかじめ検定日がいつに設定されているか、自動車学校のスケジュールで確認しておきましょう。
③「試験不合格でスケジュールがズレてしまった…」
学科試験や技能検定で不合格になってしまうと、再度試験を受け直さなければならなくなります。同じ試験をその日のうちに再受験することはできないため、試験に不合格になってしまった時点で予定がずれてしまうことになるでしょう。
スケジュールを組む際に気を付けておきたい4つのポイント
ここまでの内容を踏まえ、教習スケジュールを組む際に留意しておくべきポイントを4つご紹介します。「予定がずれてしまった…」という事態に陥ってしまわないよう、事前にできる対策はしておくようにしましょう。
①余裕を持ってスケジュールを立てる
免許取得期間の目安は、平均3ヶ月程度です。これだけの期間があると、突然予定が入ってしまったり、教習がうまく進まず当初の予定とズレが生じてしまったりするでしょう。そのためまずは大前提として、余裕を持ったスケジューリングをすることが重要です。基本的には3ヶ月程度で教習を終えられるようなペースで予定を立てておけば、スケジュールにゆとりができます。
②教習時期を見計らう
自動車学校には、混雑する時期(繁忙期)とそうでない時期(閑散期)があります。特に混雑が予想されるのは、学生の長期休暇が重なる1月から3月と、8月、9月の間です。反対に、例年4月から7月と、10月から12月は閑散期になるため、スムーズに免許を取得したいのであればこの時期を狙うと良いでしょう。
また、時間帯についても夜間や土曜日は非常に混雑しやすい時間帯のため、時間に余裕のある方は日中の時間帯に通学するのがオススメです。ご自身の予定を確認しながら、できるだけ混雑しない時期や時間帯を選びましょう。
③だいたいの終了時期を決めておく
1つ目のポイントとして「ゆとりのあるスケジュールを立てること」に関して触れましたが、ただゆとりがあれば良いというわけではありません。免許取得の完了目安を立てないままだらだらと教習を続けていると、次第に自動車学校に行く気が無くなってしまう可能性もあります。ある程度事前に終了時期の目安を決めておき、必要に応じて予定をずらしていくことをおすすめします。
④学科教習の予定から埋める
第1段階、第2段階ともに学科教習を受講する必要があり、原則受講の順番は自由であるものの、教習の実施日程はあらかじめ決まっています。そのため、まずは学科教習の予定を入れておくとスムーズにスケジューリングができるでしょう。学科教習の合間に技能教習の予約を入れるようなイメージです。
東山自動車学校の時間割と「担当制」をご紹介!
最後に、東山自動車学校で採用されている時間割と「担当制」に関するご紹介です。スケジュールを立てる上でも重要なシステムなので、ぜひ入校を検討されている方は目を通してみてください。
時間割カレンダーシステムについて
第1段階、第2段階の学科教習は「A」「B」「C」「D」の4パターンの時間割で組まれており、週ごとにそのパターンが変わります。時間割は公式サイトから確認できるため、先に学科教習の予定を組むことができます。スムーズな教習進行のためにぜひご活用ください。
東山自動車学校の「担当制」
毎回技能教習を担当する指導員が変わる自動車学校も多い中、東山自動車学校では「担当制」を導入しています。これは特定の指導員が教習を一貫して担当し、既に受講した教習のフィードバックを活かしながら効率的に成長できる仕組みです。指導員と良い関係を築きながら相談しやすい環境ができやすく、多くの方からご好評いただいております。
ゆとりのあるスケジュールで着実に免許の取得を!
はじめは特に、できるだけ早く免許が欲しいという思いから教習を詰め込んでしまうかもしれませんが、大事なのは無理せず通い続けること。ご自身のスケジュールとも相談しつつ、苦にならないペースで免許を取得しましょう!