
免許取得のために通う施設として、多くの方が思い浮かべるのが「自動車学校」と「教習所」の2つではないでしょうか。呼び名は違うものの、両施設における免許取得までの流れや規定の違いを説明できる人は多くないはず。
今回は、自動車学校と教習所の違いについて、指定校や届出校の違いにも触れながら解説していきます。これからどこで自動車免許を取ろうか考えている方は、ぜひチェックしてみてください。
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自動車学校と教習所の違い
自動車免許を取得するための施設は、「○○教習所」や「△△自動車学校」、「□□ドライビングスクール」などのさまざまな名前がついています。いざ入校しようというタイミングで、施設の名前が異なることでコース、カリキュラムに違いはあるのか気になった方もいらっしゃるでしょう。ただし、実際にはこれらの自動車免許の取得施設における名前の違いは、明確に定義されているわけではありません。詳しくみていきましょう。
呼び方による厳密な違いはない
「自動車学校」や「教習所」といった呼び名は、名前が違うだけでカリキュラムや授業内容を差別化しているわけではありません。どういった名前にするかは、施設を運営している経営者次第ということになります。ちなみに、法律的には自動車学校も教習所も「自動車教習所」と呼ばれていますので、そういった意味では正式名称としては「教習所」という見方もできます。いずれにせよ、施設の呼び名によって試験内容や免許取得までの流れが変わることはありませんので、心配ご無用です。
ただし、自動車学校における呼び名には大きな違いはありませんが、教習所や自動車学校における「指定校(公認校)」と「届出校(非公認校)」には、教習内容や免許取得までのプロセスに大きな違いがあります。ここからは、それぞれの違いについて詳しく解説していきます。
自動車学校は「指定校」と「届出校」の2種類
ここからは自動車学校における「指定校」と「届出校」の違いについて解説していきます。これから通う予定の自動車教習所が「指定自動車教習所」なのか「届出自動車教習所」なのかによって、教習内容や設備、システムなどに違いが出てきます。これからどの自動車学校に入校しようか検討している方は、違いを認識した上で通う施設を決めましょう。
指定校(公認校)とは
指定校は「指定自動車教習所」と呼ばれ、都道府県公安委員会の指定を受け、運転免許試験場での技能試験や免許取得時の講習を免除されていることが特徴です。指定自動車教習所で本免技能試験に合格すれば、免許センターでの実地試験が免除になるため、受験者にとっては運転免許を取得しやすくなるメリットがあります。
都道府県公安委員会の指定を受けるには、以下の3つの基準を満たしている必要があります。
・人的基準:資格を持つ指導員が配置されていること
・物的基準:コース面積や作り方、学科を学ぶための教室があること
・運営基準:教習の内容などが道路交通法令の定める規準を満たしていること
指定を受けている自動車学校は、所属する指導員全員が「教習所指導員資格」を持ち、高い技術やスキル、指導能力を持ち合わせています。
届出校(非公認校)とは
一方、届出校は「届出自動車教習所」と呼ばれ、都道府県公安委員会の指定を受けておらず、すぐに本免試験を受けたい人向けの自動車学校です。届出校の教習には、単位や規定がありません。そのため、自分が好きなタイミングで教習を受け、試験を受けることができます。早期に試験に合格することができれば、その分教習にかかる費用も抑えることが可能です。
ただ一方で、免許センターでの技能試験は免除されないといったデメリットもあります。免許センターでの技能試験は、指定校で実施される試験よりも難易度が高く設定されています。
自由度の高い教習環境で自分のペースで試験を受けたい、免許取得費用を安く抑えたい、といった方におすすめの教習所です。
初めての方にはには指定校がおすすめ
自動車免許をとるのが初めての方や、スムーズに試験に合格したい方には、「指定自動車教習所」がおすすめです。高い技術指導力を持った指導員や、初心者にもわかりやすいカリキュラムが組まれており、本免試験合格に向けて着実に進むことができます。
指定校への入校を検討している方は、教習所のパンフレットやホームページ内に指定自動車教習所シンボルマークがあったり、「〜公安委員会指定」といった文言が使われています。ぜひチェックしてみてくださいね。
指定自動車教習所(公認校)を選ぶメリット・デメリット
指定自動車教習所(公認校)には、免許取得を目指すうえで多くのメリットがありますが、デメリットも存在します。最適な選択をするためにそれぞれ確認していきましょう。
メリット:確実な免許取得へのサポート体制
指定校は国の基準に沿ったカリキュラムが組まれており、指導員は国家資格を持つプロフェッショナルです。個々の理解度に合わせた指導が受けられ、初心者でも安心して学べます。
最大のメリットは、卒業検定に合格すると運転免許試験場での技能試験が免除される点です。この制度により、多くの人がスムーズに免許を取得しています。
指定校は予約システムや送迎サービス、合宿プランなど多様なサポートが充実しており、自分の生活スタイルに合わせた免許取得が可能です。
デメリット:費用と時間
指定校のデメリットは費用が高いことです。お住まいの地域によっても費用は異なりますが、普通自動車免許(MT)の場合、約35万円、AT限定でも約33万円かかるのが一般的で、非公認校と比較すると割高です。
技能教習(AT31時間・MT34時間)と学科教習(26時間)の受講が必須で、卒業までに数週間から数ヶ月かかります。仕事や学業と両立したい人にとっては時間の確保が課題になるでしょう。
届出自動車教習所(非公認校)を選ぶメリット・デメリット
届出自動車教習所(非公認校)は、指定校とは異なる特徴を持っています。どのようなメリット・デメリットがあるのか見ていきましょう。
メリット:自由度の高さと費用の安さ
届出校の最大のメリットは費用の安さです。指定校と比較して半額程度で済むこともあり、特に運転経験がある人や短期間で集中して学びたい人に向いています。
指定校のような決められたカリキュラムがなく、自由にスケジュールを組める点も魅力です。例えば、苦手な部分だけ重点的に練習したり、忙しい日を避けて教習を受けたりできます。
デメリット:試験の難易度と自己責任
一方デメリットは、卒業後に運転免許試験場で技能試験を受ける必要があることです。試験の初回合格率は10%台とされ、大半の受験者が再試験となります。
教習の質が自動車学校・教習所ごとに異なるため、指導のレベルや内容が一定ではありません。十分な練習ができないと試験に合格できず、再試験の追加費用や時間的負担が発生するリスクがあります。
自分に合った自動車学校・教習所選びのポイント
免許取得をスムーズに進めるためには、自分に合った自動車学校・教習所を選ぶことが大切です。ここでは、自動車学校選びの際に考慮すべきポイントについて詳しく解説します。
目的と優先順位を明確にする
まずは、自分の目的と優先順位を明確にすることです。なぜ免許を取得したいのか、いつまでに取得したいのか、どのくらいの予算を考えているのかなど、自分の状況を整理しましょう。
例えば、就職や進学のために急いで免許が必要な場合は、合宿免許を提供している指定校が適しているかもしれません。一方、費用を抑えたい場合や、時間的な自由度を重視する場合は、届出校も検討する価値があるでしょう。
また、運転経験や適性も重要な要素です。全くの初心者であれば、サポート体制が充実している指定校が安心です。
すでに運転の基礎を知っている方や、運転に自信がある方は、届出校でも問題なく免許を取得できる可能性があるかもしれません。
自動車学校・教習所の情報を収集する
自動車学校のホームページや口コミを確認し、指導の質や設備、スケジュールの柔軟性などを比較します。アクセスのしやすさも判断材料になるでしょう。
費用だけでなく、卒業までの平均期間や追加料金の有無なども確認すると良いでしょう。指定校では送迎サービスや託児施設の有無、届出校では試験対策のサポート体制や、過去の試験合格実績などをチェックするのもポイントです。
疑問点は事前に解消する
事前に学校を訪問し、スケジュールの柔軟性や追加料金の有無、個別指導の可否などを確認しましょう。
自動車学校・教習所のスタッフへの質問は遠慮せず、疑問点をすべて解消しておきましょう。例えば、「仕事と両立できるスケジュールは組めるか」「追加料金が発生するケースはあるか」「苦手なポイントを重点的に練習することは可能か」など、自分の状況に即した質問をすることで、後々のミスマッチを防げます。
ご自身に合った方法で免許の取得を!
今回は、自動車学校と教習所の違いについて、指定校と届出校との違いにも触れながら解説しました。自動車免許施設の名前には、カリキュラムや規定などの違いはありません。
重要なことは、都道府県公安委員会に認められた「指定校」か「届出校」であるのかです。届出校は料金が安く、自分のペースで試験を受けられる一方で、自動車免許取得の難易度は高くなります。
多少費用が高くなったとしても確実に免許を取りたいと考えている方は、指定校に入校することがおすすめです。今回解説したそれぞれの違いを確認しながら、自分に合った自動車学校に入校しましょう。
東山自動車学校では、公安委員会の指定校として丁寧でわかりやすい自動車免許教育を行っています。自動車免許を初めてとる方、どの自動車学校に入校するか迷っている方は、ぜひ一度お問合せください。