免許を取得する際、必ず受験しなければならないのが学科試験です。「どんな問題が出るのだろう」「どのように勉強すれば良いのだろう」と不安に思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、事前に対策をしておけば一発で合格することも十分可能です。そこで今回は、学科試験として出題される問題の傾向や、試験の対策方法について解説していきます。
目次
学科試験とは?
そもそも、免許を取得する際に受けなければならない「学科試験」とはどのようなものなのでしょうか。まずは学科試験の概要について簡単にご説明いたしますので、これから試験を受ける方はぜひ頭に入れておいてください。
運転に必要な知識を問うテスト
学科試験を一言で言い表すと、「自動車を運転するために必要な知識の確認テスト」になります。自動車学校に通って免許を取得する場合、感覚的に思いつくのは実際に自動車を運転しながら操作方法を学ぶ「技能教習」だという方も多いかもしれません。しかし、免許を取得するまでには技能教習と同じくらいの時間数を学科教習に割く必要があります。学科教習では自動車を運転する上で知っておかなければならないルールやマナーを学びますが、それらが身についているか確認する機会こそが学科試験なのです。
そして、いわゆる免許証と言われる「本免許」を取得するまでには、2回の学科試験を受験する必要があります。それぞれの概要を、順にご説明します。
持ち物
仮免許取得時の学科試験では、以下の持ち物が必要になります。
・筆記用具
・印鑑(都道府県によっては必要)
・学科教本(試験合格後に学科教習が実施される場合は必要)
上記のように、仮免時の学科試験では持ち物はそれほど多くありません。しかし、本免の学科試験の際には、免許証を発行するにあたって必要な持ち物が多くあります。各都道府県により持ち物が異なるため、詳しくは受験する都道府県のホームページ等でご確認ください。以下一例として必要な持ち物を記載しますので、参考にしてください。
・本籍記載の住民票
・健康保険証、パスポート、マイナンバーカードなどの本人確認書類
・免許証のための証明写真
・指定自動車教習所の卒業証明書(卒業から1年以内のもの)及び仮運転免許証
・受験料及び免許証交付手数料
・運転免許申請書等
・筆記用具
・在留カードか特別永住者証明書など(外国籍の方のみ)
・必要な方は眼鏡またはコンタクトレンズ(カラーコンタクト・ディファイン不可)
・免許証(免許所持の方)
・印鑑
都道府県によっては受験のための予約が必要なこともあります。あらかじめ確認し、しっかり準備して試験本番を迎えましょう。
仮免許取得時の学科試験
最初に受験しなければならない学科試験は仮免許取得時に行われる試験です。路上で運転の練習をするのに必要な「仮免許」を取得するため、技能試験と合わせて受験が必要になっています。自動車学校に通っている場合、この学科試験については自動車学校内で受験する事が可能です。試験の合否は、その日のうちに発表されます。合格ラインは全50問中45問の正解で、問題はすべてマークシート方式で実施していきます。
本免許取得時の学科試験
学科試験を受ける2回目の機会は、教習をすべて受講し終えて本免許を取得する際にあります。本免許を取得する際の学科試験は、自動車学校内で受けることができません。各都道府県の運転免許試験場に赴き、受験をする必要があります。問題はマークシート方式で全95問あり、90問の文章問題の配点は1問1点で、イラストを使った問題については1問2点(1つのイラストにつき3つ設問があり、全て正答した場合のみ)となります。合格ラインは90点以上です。
学科試験ではどんな問題が出題される?
先述の通り、学科試験で出題されるのは運転する上で必要になる知識に関する問題です。学習しなければならない範囲は、自動車学校の学科教習で学んだ範囲すべてになります。間違いやすい問題や気をつけて読まなければならない出題文などの傾向はあるため、内容を頭に入れるだけでなく、実際の試験を想定した演習を重ねておきましょう。ちなみに、本免許を取得する際の学科試験の中には、イラストを見て回答する問題もあります。いずれの問題もマークシート方式ですので、正確に選択肢を絞る練習をしておく必要があります。
試験に落ちたらどうなる?
運転免許の試験といえば運転技術のみを思い浮かべがちですが、免許取得のためには学科試験にも合格しなければなりません。学科試験は、仮免許と本免許のいずれでも実施されますが万が一落ちてしまった場合はどうなるのでしょうか。ここからは学科試験で不合格になってしまった場合の再試験のための手続きの方法について解説します。
仮免許の場合
第一段階終了後の技能検定に合格したとしても、学科試験で不合格となれば仮免許証は発行されません。学科試験に落ちた場合、再試験を受験することが可能ですが都度1,700円の追加料金がかかります。また、通学している自動車学校のスケジュールによって、再試験の日程も調整する必要があるため注意が必要です。
本免許の場合
仮免許と同様に本免許試験でも学科試験に落ちれば再試験を受けることになります。再試験を受けられるのは、基本的に翌日以降の平日となります。また、再受験費用は都度1,750円の追加料金がかかります。試験に合格できた場合は免許証交付手数料の2,050円が必要となります。少しでも早く免許を取得したいと考えている方は、一度の試験で合格できるように勉強しておきましょう。
間違いやすい問題
では、学科試験ではどのような問題を間違いやすいのでしょうか。ここからは学科試験本番で実際に落としやすい問題を項目に分けて解説します。よく間違えやすい項目の一例は以下の通りです。それぞれ見ていきましょう。
・駐車・停車
・緊急自動車などの優先
・人間の能力と運転
・乗車と積載
駐車・停車
学科試験の問題では、駐車と停車に関連する問題がよく出題されます。駐車・停車のどちらの問題でも様々なパターンに対応できるように、駐車・停車の意味や禁止場所、方法や時間といった数字についても明確に理解しておくことが必要です。また、実際の路上で駐停車をする場合も内容が難しいものも多くあるので、対策しておきましょう。
緊急自動車などの優先
運転免許を持っていなくても普段の生活で見る機会が多い緊急自動車ですが、進路の譲り方で間違いやすい傾向にあります。また、路線バスなどの対応の方法や専用通行帯指定道路・優先通行帯指定道路に関する内容も区別が難しいです。第一段階の項目になりますが、第二段階となり路上教習中に遭遇する場面もありますので、上手に対応できるように覚えておきましょう。
人間の能力と運転
昼間と違い夜間に関しては速度についての判断が狂うことや、自分の車からの距離を見誤ることがあります。夜間路上を運転していても実感し難いことから、間違ってしまうことが多いため、正しい知識を頭に入れておきましょう。また、文章中で聞こえの良い言葉があると、惑わされてしまうケースもありますので、文章は細部まで読んで答えるようにしましょう。
乗車と積載
乗車定員と積載の制限が非常に細かく覚えにくいため苦手としている方が多くいます。車の種類によって数字が変化しますので、細部までルールを暗記しておくことが求められます。また、二輪車はあまり馴染みのない方も多いことから間違いやすい項目となりますので、積載物の大きさはもちろん二人乗りの禁止等についても覚えておきましょう。
どのように試験勉強をすべきか
さて、試験勉強はどのように進めれば良いのでしょうか。勉強法ひとつとっても、学び方はたくさんあります。自動車学校によって利用可能な手段が異なることはありますが、いくつかの勉強法を試してみて、ご自身に合った方法を見つけてみましょう。
問題集やアプリを活用
最もスタンダードな勉強方法になります。実際の出題形式を模した問題集を使って、正しい知識をつけていきましょう。最近ではスマートフォンアプリを使った学習や問題演習も可能です。演習と解説の読み込みを繰り返しながら、類似の問題が出題された際スムーズに回答できるように学習を進めていくことをおすすめします。
自動車学校の学習システムを利用
中には、学習システムの利用が可能な自動車学校もあります。気軽に利用でき、教習の空き時間や試験前の確認にも最適です。ご自身が入校される予定の自動車学校にそうしたシステムがあるかどうか知りたい場合は、入校前に問い合わせをしておくことをおすすめします。
東山自動車学校の場合
東山自動車学校では、「MUSASI」という学科学習システムを採用しています。学科試験に備えた学習や、ご自身の得意不得意に合わせた問題演習など、学び始めから学科試験対策までに必要な学習を効果的に実施可能です。もちろん、MUSASIの使い方についてのレクチャーもいたします。また、冊子形式の問題集配布も行っており、ご自身のスタイルに合わせて学習方法を選択いただけます。
万全の対策をして受験を!
特に初めて学科試験を受ける際、緊張するのは自然なことです。しかし、しっかりと試験対策を行った上でどんな問題が出題されるか知っておけば、心理的な負担も変わってくるでしょう。東山自動車学校でも試験に向けたシステムや問題集をご用意しておりますので、それらを活用して試験に臨んでいただけます。学習に関して不安なことがあれば、ぜひお気軽にお問い合わせください。