自動車の免許が必要になった場合、多くの方は自動車学校に入校することになると思われます。今回はその中でも、自動車学校に通学して免許を取得する場合の流れを順を追ってご説明します。これから免許取得をされる方はぜひ参考にしてみてください。
自動車の免許取得は時間がかかる?
自動車学校に通学して免許を取ろうと思っても、「時間がかかりそう」というイメージから腰が重いという方も少なくないでしょう。しかし、時期や予約プランの選択によっては思っているよりも短期間で免許の取得ができるかもしれません。まずは免許取得までの期間や流れを大まかにご説明していきます。
免許取得までの期間目安
自動車学校に通学して免許を取得する場合、自動車学校の入校から免許交付までの期間としては、3ヶ月程度が平均的です。
ちなみに、免許合宿に参加する場合は2〜3週間という短期間で免許を取得することができますが、その間スケジュールを確保しなければならないことがハードルになってしまいがちです。特に社会人で免許取得を考えている方は、数ヶ月かけて自動車学校に通学する方法がスケジュール確保の観点から最適だといえます。
時期によって免許が取得しにくいことも
先ほど、通学で免許取得を目指す場合は3ヶ月程度の期間を要するとご説明しましたが、繁忙期にはより長い期間が必要になることもあります。繁忙期は、多くの学校の長期休暇に重なる2月上旬から4月上旬、7月下旬から9月中旬までになります。教習の予約が取りづらくなることが予想されるため、可能であればこの時期を避けて教習を受けるようにしましょう。
免許取得までの大まかな流れ
自動車の免許を取得するまでの大まかな流れをご説明します。各ステップの詳細についてはこのあとひとつひとつピックアップするので、まずは概要のみ押さえておきましょう。
①入校する自動車学校の決定
②申し込みの手続き
③適性検査
④第一段階学科教習・技能教習
⑤修了検定・仮免学科試験
⑥第二段階学科教習・技能教習
⑦卒業検定
⑧免許センターで適性試験・学科試験を受ける
⑨免許証の交付
各ステップで行うべきことはいくつかありますが、大まかにはこの9つのステップで免許を取得することになります。なお、②から⑦の段階については、自動車学校で行うものです。ほとんどの期間を、自動車学校の教習で費やすと考えておくと良いでしょう。
入校手続きに必要なもの
次に自動車学校での入校手続きに必要なものを解説していきます。入校に際しては申込書をはじめ、提出するものや提示するものが多いです。ミスは誰にでもあるものですが、入校時の忘れ物は、自分の入校するタイミングを遅らせてしまうことにもなりますから、これからご紹介する必要なものリストをもとに持ち物を確認するようにしましょう。入校時に必要なものは以下のとおりです。それぞれ見ていきましょう。
・住民票
・免許証
・本人確認書類
・眼鏡・コンタクトレンズ
・申し込み用紙
・振込証明書
・印鑑
・筆記用具
・学生証
・在留カードなどの国籍・在留期間の記載があるもの(外国人の方のみ)
住民票
発行日が直近、かつ、本籍地が記載されている本人名義のものでマイナンバーの記載がないものが必要です。住民票のコピーは認められず、もし忘れた場合は入校手続きができない可能性が高いため要注意です。入校時の持ち物の中では圧倒的に忘れてしまうケースが多いため、あらかじめ準備しておきましょう。ただし免許証があれば、住民票は不要となります。
免許証
お持ちの方のみ必要です。二輪や原付などの免許をすでに取得している場合は必ず持ってきましょう。
本人確認書類
以下の3つのうち、いずれかの1点が必要となります。
①健康保険証
②パスポート
③マイナンバーカード
※有効期限の記載がある場合は、有効期限内のもの。
ただし、免許証をすでにお持ちの方は不要です。コピーでの提出も不可なので注意しましょう。
眼鏡・コンタクトレンズ
視力の基準は両眼で0.7以上、片眼でそれぞれ0.3以上であること。片眼が0.3に満たない、もしくは片眼が見えない場合は、他眼の視力が0.7以上で視野が左右150度以上必要です。この基準に達しない場合は眼鏡またはコンタクトレンズが必要になるため、視力に不安のある方は事前に準備しておきましょう。
ただし、カラーコンタクトや黒目を大きく見せるディファインコンタクトは使用できないため、注意が必要です。
申し込み用紙
申し込み用紙は各自動車学校によって異なり、申し込み用紙自体が無いケースもあります。詳しくは入校したい自動車学校のホームページ等で確認して下さい。
振込証明書
入校手続き前に振込が完了している場合は、費用をお支払いした証明となりますので、忘れずに持っていきましょう。入校手続き後に支払いを行う場合は必要ありません。
印鑑
手続きの際に必要な場合もあります。シャチハタでも大丈夫なところもあれば、朱肉が必要な印鑑でなければならない等、各自動車学校によって異なりますので、入校したい自動車学校のホームページ等で確認してください。
筆記用具
書類の記入などに必要な場合があります。
学生証
学割の証明のために必要な場合があります。詳しくは自動車学校にお問い合わせください。
在留カードなどの国籍・在留期間の記載があるもの(外国籍の方のみ)
外国籍の方は、在留カードや住民票等に国籍と在留期間と在留資格の記載があるものの提出が必要な場合があります。詳しくは自動車学校にお問い合わせください。
入校手続きでやること
入校手続きでは、必要書類の提出以外にもやることがあります。ここからは入校手続き日に行うことを解説します。
申込用紙の記入
取得したい免許の種類や入校希望日、入校者の個人情報を記入します。
ガイダンス
自動車学校での免許取得までの流れや学科教習と技能教習の受講の仕方、自分のスケジュールを作成します。
適性テスト
適性テストでは視力検査等が行われます。視力検査の合格基準は前述の通りです。その他にも聴力や運動能力の確認、病気症状等の確認などがあります。
不安がある場合は、あらかじめ相談するようにしましょう。
写真撮影
すでに持っている場合は、持参しても問題ありませんが、写真は規定の基準があり、大きさだけではなく、適正な範囲に顔が写っていなかったり、髪が目にかかっている場合などは、撮り直しになる場合もあります。自動車学校内で撮影できる施設も多いので、不安な方は事前に確認しておきましょう。
ちなみに、写真サイズは縦3cm,横2.4cm。無帽・正面・無背景・カラーコンタクト不使用。撮影が6ヶ月以内のものなど期間が決められています。必要枚数は自動車学校によって異なります。
支払い
支払い方法は自動車学校によって異なります。以下のいずれかの方法で支払いができます。詳しくは入校したい自動車学校にお問い合わせください。
・現金一括
教習にかかる費用全額を入校日までに一括現金で支払います。
・現金分割
お申込み金や適性検査料、学科教習にかかる料金を入校日までに支払い、技能教習や検定にかかる料金は都度支払っていく方法や、教習料金を2回・4回など分割して支払う方法があります。支払う合計金額は一括払いと同額になります。
・銀行振り込み
自動車学校指定の口座に振り込みます。
・ローン払い
自動車学校にもよりますが、教習料金を分割してローンで支払うことが出来ます。ただし、分割の回数が多くなるほど金利も高くなり、ローン審査も必ず通るというわけではありません。
・クレジットカード
使用するクレジットカードの種類によって、一括払い、分割払いそれぞれの支払いが可能なのかが変わります。また、自動車学校によっても一括払い、分割払いそれぞれの支払いが可能なのかが変わります。
申し込みから教習開始までの流れ
それではここから、自動車免許取得までの流れを順にご説明します。これから教習を始める方はもちろん、既に教習が始まっていて、今後の流れを知りたい方もぜひ参考にしてくださいね。
①入校する自動車学校の決定
「免許を取りたい!」と思ったら、入校する自動車学校の選定に入りましょう。自動車学校を選ぶ際のポイントは、価格と通いやすさです。価格は多くの方が気にするポイントかと思いますが、価格の安さだけで選んでしまうと、通い始めてから苦労することになる可能性もあります。通学距離や交通手段、予約の取りやすさなど、総合的に見て通いたいという気持ちが削がれないような自動車学校を選定するのがおすすめです。
②申し込みの手続き
入校したい自動車学校が決定したら、続いて申し込み手続きに入ります。取りたい免許の種別や希望プランを伝え、必要書類を記入したり、各種説明を受けたりします。教習の流れについてはこのタイミングでも聞くことができるため、その自動車学校ならではの部分を含めてしっかり確認しておくようにしましょう。
③適性検査
入校手続きが完了したら、自動車の運転適性を測る「適性検査」を受けることになります。
検査はアンケート形式で行われ、運転に関連する性格タイプが分かるようになっています。ただ、これはあくまで検査であって試験ではないため、どのような結果であっても落ちることはありません。
なお、適性検査と合わせて、視力や聴力など自動車の運転に問題がないかどうかを測る検査も行われます。
教習開始〜自動車学校卒業まで
ここまでのステップを踏むことで、ようやく教習を始めることができるようになります。
そして、教習は大きく分けて「技能教習」「学科教習」の2つに分かれます。技能教習は実際の自動車に乗って運転方法を学ぶ教習、学科教習は運転時に必要なルールやマナーを基本的に座学で学ぶ教習となっています。
④第一段階学科教習・技能教習
技能教習、学科教習ともにカリキュラムが2段階に分けられており、それぞれ「第一段階」「第二段階」と呼ばれています。第一段階の学科教習では、運転者の心構えや公道を走行する上での基本的なルールを学びます。技能教習では所内のコースでクルマの基本的な操作方法を身につけます。
⑤修了検定・仮免許学科試験
第一段階の教習が終わったら、公道を走行するための仮免許取得に向けて技能、学科ともに試験を受けることになります。どちらも自動車学校内で受検できるものなので、どこかに出向く必要はありません。
⑥第二段階学科教習・技能教習
無事仮免許の取得ができたら、第二段階の教習が始まります。
基本的に第一段階の内容と難易度は変わりませんが、高速道路を含めた路上での教習や応急救護教習など、実践的なカリキュラムも多く含まれています。
⑦卒業検定
第二段階の教習が終わったら、自動車学校を卒業するための技能検定を受検します。
ここで合格すれば、免許センターでの技能試験が免除になるため、実質この検定で技能レベルが免許取得に値するか測ることになります。
自動車学校卒業後の流れ
さて、自動車学校を卒業したらあと一息です。ここからは免許センターでの手続きになります。学科試験に合格すれば、その日のうちに免許証を受けとることができます。
⑧免許センターで適性試験・学科試験を受ける
各都道府県の免許センターで、適性試験と学科試験を受験します。学科試験は全95問の100点満点で、90点以上を獲得できれば合格です。結果はその日のうちに発表され、学科試験に合格していれば当日免許証の交付が行われます。
⑨免許証の交付
学科試験に合格したら、免許の交付を受けられます。交付手数料を支払い、免許証を受け取ったら手続きは完了。晴れてクルマに乗ることができるようになります。
やることはたくさん。でも焦らずに
今回は、自動車の免許を取得する際の流れを簡単にご説明しました。一見手順が多く難しいように思えるかもしれませんが、ひとつひとつこなしていけば問題なく免許取得はできます。もし不安があれば自動車学校に相談することもできるので、ぜひご活用ください!