お知らせ news

#7「自動車学校での適性検査では何をする?落ちる人はいる?」

自動車学校での適性検査では何をする?落ちる人はいる?

自動車学校に入校する際、教習が開始される前に必ず受けることになるのが「運転適性検査(適性検査)」というものです。検査という響きからなんだか難しそうに思えてしまうかもしれませんが、実はこれ、テストではありません。今回は、適性検査の内容とともに受検前の不安を解消できるような内容をご紹介していきます。

自動車学校での適性検査はなぜ行うの?

自動車学校では、入校してから卒業するまでにさまざまな検査や試験を受ける必要があります。そして入校時に実施される適性検査もそのひとつです。ここでは、適性検査を実施する目的や結果に関する内容を順にご紹介します。

運転をするにあたって気を付けるべきことを客観的に測るため

適性検査を実施するのは、自動車を運転する際に注意しておかなければならないポイントを事前に知っておくという目的があるためです。後ほど検査の内容については詳しくご説明しますが、どの検査項目も運転時の適性を測るものです。つまり、検査を通して自分自身の性質を知り、今後運転をしていく上で気を付けておいた方が良いことを事前に知っておくという意味合いで実施されるものとなります。

適性検査で落ちることはある?

結論から言えば適性検査で落ちることはないので、安心してください。そもそも適性検査は「検査」であって、テストではないため、合否を判定する用途では使われることはありません。たしかに検査の内容や実施時の雰囲気から、「試験を行っているのでは…?」と思ってしまう方も少なくないかもしれませんが、ここでどんな結果が出たとしても教習を進めることは可能です。
ただ、適性検査で適性が低めの項目がある場合には、自分自身で気にかけておいて、その特性を踏まえた上で運転をすることを強くおすすめします。

適性検査の内容はどんなもの?検査方式別にご紹介

適性検査の実施方法は、全国の自動車学校で2種類の方式のいずれかを採用しています。どちらの方式であっても運転の適性を測ることができるという意味では同じですが、検査の内容や結果の出方に異なる部分があります。

 

具体的にはどんな検査なの?主な項目を紹介

適性検査と聞いても、具体的に何をするのかイメージしにくいかもしれません。検査はあくまで、運転をするにあたって、運転者自身の性格やくせなどを診断するためのものであり、特別な準備は一切必要ありません。ここでは、よくある検査項目の目的を紹介します。

 

・性格・行動傾向の確認

質問に対して「はい」や「いいえ」で答える形式で、運転中の考え方や反応の傾向を確認します。普段の生活の中での感じ方や行動パターンから、運転スタイルを見ていくものです。

 

・注意力や集中力の把握

短時間で繰り返し行う作業や反応を通じて、どれだけ集中力を持続できるか、どのような状況でミスが出やすいかを見ていきます。運転中の注意の向け方に関わる部分です。

 

・判断のスピードと正確さ

瞬時の判断や動作の正確さをチェックすることで、とっさの状況への対応力を測ります。交通の流れや突発的な出来事への反応を安全に行えるかを見るためのものです。

適性検査の実施方式には2つのパターンがある

自動車学校で実施される適性検査には「警察庁方式K型」と「OD式安全テスト」の2種類があります。検査実施時にどちらの方式で検査を受けるかを決めることはできず、各自動車学校が採用している方法に従うことになります。それぞれの方式の特徴や検査内容をここからご紹介します。

①「警察庁方式K型」の場合

11の検査項目で運転の適性を測り、6つのタイプに分類する方式です。タイプ分類は下記のようになっています。

1.状況判断が遅い人
2.動作は早いけど正確さに欠けている人
3.神経質な傾向がある人
4.気分の変わりやすさやムラがある人
5.攻撃的な傾向がある人
6.自己中心的な傾向がある人

動作のスピードや正確さを測ることでこうした分類を行い、運転時に気をつけなければならないことが分かるようになります。例えば動作が早くてミスが多いとせっかちなタイプ、動作がゆっくりでミスが少ない人は石橋を叩いて渡るタイプ、といった分類方法をとっています。

②「OD式安全テスト」の場合

16の項目から運転適性を測定し、運転適性度と安全運転度という形で結果が出されます。これらの内容を踏まえて、検査を受けた人を下記の4タイプに分類します。

1.安全運転をするタイプ
2.もらい事故の傾向があるタイプ
3.重大事故の傾向があるタイプ
4.事故違反を多発させるタイプ

「重大事故の傾向があるタイプ」や「事故違反を多発させるタイプ」という検査結果が出てショックを受けてしまう方もいるかもしれませんが、検査結果をよく読んで安全運転に努めれば何ら問題はありません。繰り返すようですが、大切なのは結果そのものよりも、自分自身の特性を知り、安全運転のために何ができるか考えることです。

運転適性検査の結果が悪いとどうなる?

続いて、適性検査の結果が思わしくなかった時、どうなってしまうのか解説します。不合格になることはないとはいえ、思っていたような結果にならないと不安を抱えてしまうものですよね。ここでは、検査結果をどのように受け止めるべきなのかご説明していきます。

検査なので結果に優劣はない

適性検査はあくまで検査であって、テストではありません。そのため、結果に優劣はありません。「安全運転をするタイプ」だからといって、事故を起こさないとは限りません。むしろ慢心が事故を招くこともあるため、運転適性が比較的高いとされた人こそ気を引き締めなければならないともいえるでしょう。

自身の特性を理解して乗車を

適性検査の結果は、後日受検者本人に返却されます。警察庁方式K型の場合も、OD式安全テストの場合も、検査結果に応じて運転をする上で気を付けるべきポイントが記載されています。自分自身で認知していない部分で注意しなければならないことがあるかもしれないので、結果を読んだ上で教習や免許取得後の運転に活かしましょう。こうした検査を受ける機会はあまりないため、結果は教習後も保管しておくことをおすすめします。

安全に自動車を運転するためには、自動車学校で学ぶ様々な要素を習得する必要があります。交通ルールやマナーといった交通に関する知識や、停車やバックなどの運転操作テクニックもそうです。適性検査の結果から判明した自分の特性をもとに、不足しているスキルや知識を自覚していれば、入校後の教習でも意識しながら学ぶことができるでしょう。

適性検査の結果をもとに、自身の特性や運転能力を把握し、より安全な運転をしていくためにも以下の点に留意して運転に活かしましょう。

・不足しているスキルの習得

・自信をつける

適性検査の結果がよかった場合、自分の運転スキルや適性に自信を持つことができます。結果として、落ち着きながら技能教習を受けることができれば、安全な運転につながるでしょう。運転の際に慎重になることはよいことですが、過度な緊張状態はパニックや誤った状況判断に陥りやすくなります。自信を持って運転に臨むことによって、正確で安全な運転をしやすくなるのです。

・短所を改善する

適性検査によって自分の短所が発見できれば、入校後の教習を通じて改善することで、より安全な運転が可能になります。「攻撃性や自己顕示性が高い」と評価されれば、日々の教習から落ち着いた気持ちで技能教習を受講することで、自身の短所を埋めることができるでしょう。適性検査は、自動車の運転技術を学ぶにあたってまずは自分を理解するために行われます。結果が悪かったとしても悲観するのではなく、適性検査の結果で分かった自身の性格をしっかりと理解し、改善に努めることが大切です。自身の短所を改善することがスピード超過をはじめとした危険運転の回避につながるのです。

・安全運転を心がける

適性検査では、いかに安全な運転ができるのか、という指標のもとで必要とされるスキルや知識を評価されます。検査結果を真摯に受け止め、自覚した上で教習を受講することが、安全運転への近道になります。

 

タイプ別!結果をポジティブに活かすためのワンポイントアドバイス

検査結果は、あなたの運転における伸びしろを示してくれる貴重な資料です。ここでは代表的な検査結果のタイプ別に、教習や今後の運転で意識すべきポイントを解説します。

 

・「状況判断が遅い」「神経質な傾向」と出たら

意識したいのは「かもしれない運転」の徹底です。「前の車が急ブレーキを踏むかもしれない」「角から人が飛び出してくるかもしれない」と常に予測することで、心と時間に余裕が生まれます。教習での活かし方としては、車間距離を他の人より少し多めに取ることを意識しましょう。

他にも、一つの事に注視しすぎないようにしましょう。

運転は1秒経過するたびに状況が変化するため、他の事を見落としてしまう原因となります。常に目と顔を動かし、バランスよく周囲を見ることを意識しましょう。

 

・「動作は早いが正確さに欠ける」「せっかち」と出たら

意識すべきことは、出発前の「一呼吸」です。焦る気持ちをグッとこらえ、ハンドルを握る前に深呼吸する癖をつけましょう。

車を動かす前に大事なのは、身の周りの状況を把握することです。認知→判断→操作の順番を習慣化していきましょう。

 

・「攻撃的な傾向」「自己中心的な傾向」と出たら

意識すべきことは「ありがとう」の気持ちを持つことです。道を譲ってもらったら軽く会釈する、サンキューハザードを活用するなど、周囲のドライバーへの感謝を意識することで、心にゆとりが生まれます。イラっとしたら、まずは6秒数えて怒りをやり過ごす「アンガーマネジメント」も有効です。

自分だけでなく、他の教習車や一般車、歩行者など、周囲全体の流れを意識する練習をしましょう。自分の運転がどう見えるか、客観的な視点を持つことが上達の鍵です。

 

・「もらい事故の傾向」と出たら

意識すべきことは危険予測トレーニングです。漫然と運転するのではなく、「あの交差点は死角が多い」「前の車の運転が少しふらついている」など、常に危険を探す意識で運転することが、もらい事故を防ぐ最大の防御になります。

教習での活かし方は、指導員に「危険予測が苦手なので、特に注意すべき場所や状況を教えてください」と具体的に質問してみましょう。プロの視点から、効果的な危険の発見方法を学べます。

前の車との車間距離をしっかり保ち、前方の状況が常に広く見れるようにしたり、走行中や停止中などにミラーなどを見る習慣を身に付けて、後ろの状況も把握するようにしましょう。

 

適性検査結果の教習での活かし方

適性検査は、受けたら終わりではありません。むしろ、この検査結果こそが、安全運転を目指すための、あなたと指導員との大切なコミュニケーションツールです。ここでは、検査結果を最大限に活用する方法を解説します。

 

指導員はあなたの「パーソナルトレーナー」

自動車学校の指導員は、教習生一人ひとりの適性検査結果を事前に確認しています。これは、性格や特性を理解し、それぞれに合った教え方をするためです。いわば、指導員はあなたの運転における「パーソナルトレーナー」のような存在なのです。

例えば、「神経質で緊張しやすい」という結果が出た場合は、最初は広いコースで落ち着いて運転してもらい、自信を持てる環境づくりを意識します。一方で「注意力が散漫になりやすい」という方には、交差点での左右確認や声かけを多めにするなど、個性に合わせたサポートを行います。

 

診断表はあなたの「運転カルテ」

診断表は、単なる成績表ではありません。あなたの運転のクセや課題が整理されており、まさに世界に一つだけの「運転カルテ」といえるものです。A判定やB判定などの総合評価だけでなく、「注意力」「判断力」「柔軟性」などの各項目にも注目しましょう。

結果が低い項目こそ、あなたがこれから重点的に学ぶべきポイント(課題)です。技能教習でそのポイントに注意して運転することで、上達のスピードは格段に変わります。卒業後も大切に保管し、運転に慣れてきた頃に見返すと、初心を思い出して安全運転を改めて意識する良いきっかけになるでしょう。

 

勇気を出して指導員に相談してみよう

最も効果的な活用法は、診断表をもとに指導員へ積極的に質問・相談することです。例えば、「少しせっかちなタイプの場合、運転で気をつけるべきことはありますか?」といったように、自分から確認してみましょう。

あなたのその真摯な姿勢を、指導員は必ず歓迎してくれます。そして、「それなら、カーブの手前ではしっかり速度を落とすことを意識しよう」「車線変更は、事前にミラーを見て隣の車線の状況を把握しておき、合図を出した後にもう一回確認(ミラー及び目視確認)して隣の車線の車が接近してきてないかを気にする」といった、具体的で実践的なアドバイスをくれるはずです。受け身で教習を受けるよりも、何倍も濃密な学びが得られるでしょう。

 

適性検査を受ける時の注意点

適性検査を受ける時はよい結果を出そうとするのではなく、素のままの自分で回答することが重要です。考え過ぎたり、対策しようとしたりすると、自分の特性がわからなくなります。教習で活かせる適性検査にするために、注意すべきポイントをご紹介します。

検査の説明をしっかり聞く

適性検査を受ける前に、まずは検査の説明についてしっかり聞きましょう。検査自体はそれほど難しいものではありません。ただし、回答の順番や訂正方法にはルールがあります。よく間違われやすいような箇所の説明は、担当の検査員が入念に事前説明を行ってくれますので聞き漏らしのないように注意深く聞きましょう。説明を通してわからないところや疑問に思うような箇所があれば、きちんと質問することも大切です。試験中に迷うことがないよう、試験前にしっかり確認しておきましょう。

落ち着いて回答する

適性検査では、「警察庁方式」「OD式安全テスト」のどちらであっても制限時間が設けられています。自分が最後まで質問に回答できるのかどうか不安になり、焦る方もいらっしゃるかもしれません。しかし、自分のペースで問題ありませんので、落ち着いて慌てずに回答しましょう。ただ、適性検査の時間制限には評価項目の一つとして、作業をどのくらいの時間で終えることができるのか、という意味合いもあります。自身の作業能力をテストできる場であることを理解して、丁寧に回答することが重要です。

正直に回答する

適性検査は、日常の思考回路や自身の性格を客観的にみるための検査です。正しい結果を得るためには、自分のありのままの考え方で回答することが重要になります。変に自分をよく見せようとすると、検査の結果にも直接影響してしまうため、注意が必要です。周囲からの評価を気にするのではなく、正直に自分が感じたこと考えたことを回答するように心がけましょう。

肩の力を抜いて「いつも通り」受ければ大丈夫

適性検査を受ける上で最も大切なのは、自分自身の特性を理解して教習時や免許取得時に活かすことです。そのため、よく見られようと選択肢を調整してはいけません。性格テストだと思って素直に受けるようにしましょう!
東山自動車学校では、カーライフを送りたい方の入校をいつでもお待ちしております。適性検査や入校に関して不安な点などありましたら、ぜひいつでもお問い合わせくださいませ!