お知らせ news

#31「自動車学校の卒業検定とは?流れや所要時間、合格のするための対策についてもご紹介」

自動車免許を取得する前に、必ず受検するのが卒業検定です。しかし、実際に自動車学校に入校してからどういった流れで受検するに至るのでしょうか。

今回は、自動車学校の卒業検定について、受検するまでの流れを解説します。

卒業検定とは

卒業検定は、自動車学校や教習所を卒業するために必要な技能試験のことを指します。卒業検定に合格すると、自動車学校の卒業証明書を受け取り、運転免許センターでの学科試験を受検する資格が得られます。指定された自動車学校での卒業検定合格者は、免許センターの技能試験が免除されるというメリットがあります。

卒業検定の受検可能期間

卒業検定の受検可能期間には一定の有効期限が設けられています。この期限内に合格して自動車免許を取得しなければなりませんので、事前に確認することが大切です。卒業検定の有効期限は、仮免許取得後、第二段階を含む全ての教習が終了した日から起算して3か月となります。
期限を過ぎてしまうと、第一段階からの全ての教習がやり直しになります。
そのため、合格することだけを前提に予定を立てるのではなく、不合格の可能性も考慮し、余裕を持ったスケジュールで早めの受検を心掛けましょう。

卒業検定の合格率

卒業検定の合格率は、自動車学校によって異なるものの、全体的には高い水準を保っています。多くの自動車学校では90%前後の合格率を誇っており、しっかりと教習を受けてきた教習生が無事に合格するケースが多いです。ただし、合格率は高いからといって油断は禁物です。検定は日々の教習の総決算ですので、技能教習や学科教習で学んだことを確実に身につけた上で、落ち着いて試験に臨むことが重要です。また、合格率が高い背景には、自動車学校がしっかりとしたカリキュラムを組み、教習生が苦手分野を克服できるようサポートしていることも大きく影響しています。

卒業検定までの流れと所要時間

卒業検定を受検するまでには、大まかに以下の流れに沿って各段階をクリアしていく必要があります。

①自動車学校に入校
②教習第一段階(学科教習:10時限+技能教習:12〜15時限)
③修了検定(技能試験)・仮免学科試験
④教習第二段階(学科教習:16時限+技能教習:19時限)
⑤卒業検定

卒業検定までの流れ

・教習第一段階(学科教習:10時限+技能教習:12〜15時限)
第一段階では、学科教習を10時限、技能教習を普通車ATは12時限、普通車MTは15時限の受講が最低限必須です。入校する自動車学校によって多少の違いはありますが、大まかなカリキュラムの流れは以下の通りです。

<学科教習のカリキュラム内容>

・1時限目: ・運転者の心得

・2時限目: ・信号に従うこと

・3時限目: ・標識、表示に従うこと

・4時限目: ・車の通行するところ
・車が通行してはいけないところ

・5時限目: ・交差点等の通行、踏切

・6時限目: ・緊急自動車等の優先
・安全な速度と車間距離
・オートマチック車、マニュアル車の運転

・7時限目: ・歩行者の保護等

・8時限目: ・安全確認と合図、警音器の使用
・進路変更等

・9時限目: ・追い越し
・行き違い

・10時限目: ・運転免許制度、交通反則通告制度

<技能教習のカリキュラム内容(AT)>

・1時限目: ・車の乗り降りと運転姿勢
・自動車の機構と運転装置の取扱い
・発進と停止

・2時限目: ・速度の調節
・走行位置と進路

・3時限目: ・時機をとらえた発進と加速
・目標にあわせた停止

・4時限目: ・後退
・カーブや曲がり角の通行①

・5時限目: ・カーブや曲がり角の通行②
・狭路の通行①

・6時限目: ・狭路の通行②

・7時限目: ・坂道の通行
・踏切の通過

・8時限目: ・AT車の急加速と急発進時の措置
・通行位置の選択と進路変更①

・9時限目: ・通行位置の選択と進路変更②
・障害物への対応

・10時限目:・標識・標示に従った走行
・信号に従った走行
・交差点の通行(直進)

・11時限目:・交差点の通行(左折)
・交差点の通行(右折)
・見通しの悪い交差点の通行

・12時限目:・教習効果の確認(みきわめ)

MTの場合は、上記に「AT車の特性理解」と「運転方法」といった3時限の教習が追加されます。

・教習第二段階(学科教習:16時限+技能教習:19時限)
第二段階では、学科教習を16時限、技能教習を普通車AT・MTともに19時限の受講が最低限必須です。入校する自動車学校によって多少の違いはありますが、大まかなカリキュラムの流れは以下の通りです。

<学科教習のカリキュラム内容>

・1時限目: ・危険予測(セット教習)

・2時限目: ・応急救護処置①

・3時限目: ・応急救護処置②

・4時限目: ・応急救護処置②

・5時限目: ・死角と運転

・6時限目: ・適性検査結果に基づく行動分析

・7時限目: ・人間の能力と運転

・8時限目: ・車に働く自然の力と運転

・9時限目: ・悪条件下での運転

・10時限目: ・特徴的な事故と事故の悲惨さ

・11時限目: ・自動車の保守管理

・12時限目: ・駐車と停車

・13時限目: ・乗車と積載
・けん引

・14時限目: ・交通事故のとき
・自動車の所有者等の心得と保険制度

・15時限目: ・経路設計

・16時限目: ・高速道路での運転

<技能教習のカリキュラム内容>

・1時限目: ・路上運転にあたっての注意と準備
・急ブレーキ

・2時限目: ・方向変換および縦列駐車①

・3時限目: ・方向変換および縦列駐車②

・4時限目: ・交通の流れにあわせた走行①

・5時限目: ・交通の流れにあわせた走行②
・適切な走行位置

・6時限目: ・進路変更①

・7時限目: ・進路変更②

・8時限目: ・標識・標示に従った走行

・9時限目: ・交差点の通行①

・10時限目:・交差点の通行②
・歩行者などの保護

・11時限目:・道路及び交通の状況にあわせた運転

・12時限目:・駐・停車

・13時限目: ・自主経路設定

・14時限目: ・自主経路設定

・15時限目: ・危険を予測した運転(シミュレーター)

・16時限目: ・特別項目

・17時限目: ・自主経路設定

・18時限目: ・高速道路での運転

・19時限目: ・教習効果の確認(みきわめ)

第二段階のみきわめに合格すると、卒業検定を受検することができるようになります。

所要時間とコース

卒業検定は、自動車学校の敷地内と路上の2ヶ所で実施します。コースは学校によって異なり、検定員からの指示に従って走行します。所要時間は敷地内が5分、路上が20〜25分ほどです。

採点は減点方式で、100点から始まり、最終的に70点以上であれば合格となります。走行中にコースから誤って外れてしまっても減点対象にはならず、運転ミスのみが減点になります。

減点細目の一例

卒業検定では、運転技術の総合的な評価が行われ、100点満点からの減点方式で採点されます。減点対象となる項目は多岐にわたりますが、その中でも特に注意が必要なのが「安全確認の不足」です。たとえば、路端からの発進や車線変更時にミラーや目視確認を怠った場合、もしくは遅かった場合、大きな減点となります。また「合図の遅れ」や「速度超過」も減点対象です。例えば、交差点での右左折時に適切なタイミングで合図を出さなかったり、制限速度を超えて走行したりした場合はこれにあたります。さらに、「優先判断不良」や「横断者保護違反」など、基本的な運転ルールを守らない行為も大きく減点されるポイントです。信号無視などの危険行為は検定自体が中止となるので絶対に行わないようにしましょう。これらの減点細目に対する意識を高め、日頃の教習から注意深く取り組むことが、卒業検定での合格に直結するのです。

卒業検定に落ちたらどうなるか

卒業検定に不合格となった場合、教習生には再受検のチャンスが与えられます。ただし、再受検をするには、まず補修教習を受ける必要があります。補修教習では、前回の検定で指摘された問題点や苦手な部分を重点的に練習し、次回の検定に向けた準備を行います。補修教習は1時限以上行わなければなりませんが、個々の進捗や理解度に応じて必要な時間が異なることもあります。

再受検の際には追加料金が発生するため、できるだけ少ない回数で合格することが望ましいです。再受検のスケジュールは自動車学校によって異なりますが、できる限り早く次の検定を受けることが推奨されます。時間が経つと、せっかく習得した技術が鈍ってしまう可能性があるため、間を空けずに次の検定に挑戦することが大切です。また、不合格になったことを気に病む必要はありません。期限を確認して再受検しましょう。

卒業検定は、非常に重要な試験であるため、緊張や不安から思わぬミスを犯してしまうこともあります。大切なのは、失敗を次に活かすことです。次回の検定に向けて改善点をしっかりと把握しておきましょう。補修教習で弱点を克服し、自信を持って再受検すれば、最終的には免許取得への確実なステップとなります。

卒業検定で不合格になった場合でも、その後の努力次第で次の試験で合格する可能性が高まります。不合格という結果を前向きに捉え、再度挑戦する意欲を持って臨みましょう。最終的には、自信を持って路上に出られる運転技術を身につけることが、重要です。

合格するためにやっておくべきこと


卒業検定についてここまで解説してきましたが、合格するために自分は何をすべきなのでしょうか。おすすめなのは、技能教習最後のみきわめでの内容を、指導員からしっかりフィードバックをもらっておくことです。自分の苦手部分が分かれば卒業検定でも注意しながら運転に集中することができます。
もちろん試験ですから不合格という結果もあります。受検前には検定に関する説明や諸注意等がありますので、しっかり聞いた上で検定に臨みましょう。

苦手対策

卒業検定での合格を目指すには、自分の苦手分野を克服することが不可欠です。まずは、日頃の教習中に苦手と感じる場面を意識的に確認し、指導員に積極的に質問することが重要です。例えば、車線変更やバックでの駐車が苦手な場合、指導員のアドバイスを良く聞き練習を繰り返すことで、技術の向上が期待できます。他にも、イメージトレーニングの中でシミュレーションを何度も繰り返すことで、実際の運転時に焦らずに対応できるようになります。

体調を調える

卒業検定に臨む際、体調管理は非常に重要です。体調が優れない状態で試験に挑むと、集中力や判断力が低下し、ミスを誘発する可能性があります。視力低下を防ぐため検定日の前日はスマホを見すぎたりせず、十分な睡眠をとった上で食事や水分補給をしっかり行い、ベストなコンディションで試験に臨むよう心がけましょう。

また、試験当日は、リラックスした状態を保つことが大切です。試験前に軽いストレッチや深呼吸を行い、緊張を和らげることで、冷静に運転に集中できるようになります。こうした体調管理を怠らず、自分のベストな状態で卒業検定に臨み、普段通りのパフォーマンスを発揮しましょう。

まとめ

今回は、自動車学校の卒業検定について、受検するまでの流れを解説しました。
卒業検定での採点細目は、全て教習内で習ったものになります。日々の教習をしっかり受講し、運転技術の習得を目指しましょう。

東山自動車学校では、自動車免許取得に向けて丁寧な自動車教習を実施しています。まずはぜひお気軽にお問合せください。